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北九州市 小倉の町

Posted in 2015.5.25 | permalink

写真家・濱田英明さんがアップされていた一枚の写真の風景に見覚えがあるぞと思い、よく見てみると、そこには、僕が18歳まで育った町・福岡県北九州市小倉が写っていた。しかも一目見ただけで、その写真でシャッターが押されたと思われる地点が、僕の実家のすぐそばであると分かった。先月のことだった。

4月はそれだけでとてもとても驚いたというのに、さきほど、濱田さんから僕と弟のもとへ写真が飛んできた。メッセージを開いてみると、そこにはなんと、僕の実家の門と小木戸の表札が写っている。あぁ これは 僕たちが育った家ではないか。濱田さんは、撮影でふたたび小倉を訪れることとなった今日、僕たちの実家を探してくださったということになる。知っていたなら、母さんと父さんに言っておいたのに。小倉の美味しいお刺身でも食べていただきたかった。

写真を見る。とてもよく知っているはずの家の門。けれど、なにかが違う。そう、眼差しが違うのだ。僕という人の目線で捉えた情景ではない。濱田さんの視点だ。僕と弟に送るためだけに撮られたと思われる一枚の写真でさえも、とことん濱田英明さんの写真の世界のなかを生きているのだ。

普段僕たちは自分の目でしか世界を見ることができない。自分の感性でしか世界を捉えることができない。写真とは僕にとって、他者=写真家の目線で物事を見つめることのできる貴重な表現媒体だ。写真を鑑賞することとは、意識的に他者の世界へと入っていく行為のようだ。


発売中の「murmur magazine for men」創刊号の服飾ページにてモデルになりました。この雑誌の撮影が、濱田さんとの出会いでした。

濱田さん、ありがとう