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Campus Asia at WASEDA University

Posted in 2018.1.30

「Theatre for conflict resolution」, Campus Asia at WASEDA University

早稲田大学のキャンパス・アジアにて、東アジア各国の学生たちとともに一つのプロジェクトを遂行します。キャンパス・アジアとは、紛争解決と社会変革に情熱とスキルをもつ次世代のアジアのリーダーを、日中韓の早稲田大学と北京大学と高麗大学校が協力して育成しようというプログラムです。当プロジェクトの一環として、「Theatre for conflict resolution」という手法を取り入れながら、演劇や演技を通じて、他者の異なる視点・心情にアプローチするということに取り組みます。演技というよりは、さまざまな国籍やバックグラウンドを持つ学生たち同士による、自発的なコミュニケーションから生まれる対話を、演劇的なシーンにしてゆき、頭ではなく、身体そのもので「実感」として、国際・社会問題における、あるいは、パーソナルな事柄における、他者の立場や視座や気持ちに近づいてゆくことを目指します。長年、国連の職員として戦地での武装解除に尽力されてきて、現在早稲田大学で教鞭をとられている小山淑子さん、早稲田大学・政治経済学術院所属・梅森直之教授らとの協同です。先日、その導入としまして、90分の授業を行いました。学生たちとともに考え、語り合える時間は、喜びそのものでした。この後、早稲田大学の皆さま、東アジア各国からの学生たちとともに被災地・東北へ行き、フィールドワークを行います。心から尊敬する先生方との取り組みを、たいへん嬉しく光栄に思っています。深く感謝いたします。

当プロジェクトの第1回目として、今年の夏に、被爆地・長崎へのフィールドトリップを経て、「1945年8月」をテーマに、東アジア各国の学生たちがともに一つの架空の共通歴史教科書をつくるというプロジェクトが行われまして、僕はその成果発表を拝見したのですが、たいへん感銘を受けました。

授業、先生方、学生たちとのあらゆるコミュニケーションを、英語で進めてゆきます。東アジアの大学に在籍する学生たちの大半にとって、英語は母国語ではないでしょう。この英語という共通言語のもとに、皆のなかから、どのような国際的な対話や表現が生まれるのか、また、問題解決におけるどのような具体的プランが立てられるのか、とても興味深いです。各国の大学の皆さまと一緒に学んできます。

Campus Asia at WASEDA University

10年

Posted in 2017.10.17

今日は、若松孝二監督の命日です。今まではこの日をとりわけ意識してはこなかったのですが、今年はそれを思い出すことのほうが自然な出来事や再会がありました。

振り返れば、今から10年以上前に、映画「実録・連合赤軍 あさま山荘への道程」に出演して、僕の人生は激しく大きく変化していきました。自らの意思で動いていったこと、自分の力ではどうしようもなかったこと、見えない大きな流れに翻弄されるかのようだったこと、そんな中で確かに掴んできたことなど、この10年間、本当にいろいろなことがありました。でも そのすべてが 今に至る 布石だったのだと 実感しています。

今、何か物事が、長い長い年月をかけて、丸一周したと感じています。そして、出てきたところは、同じ場所ではなく、らせん階段のように回りながら進んできて、また新たな場所です。新しい景色が広がっています。心には、はるかにかるくなっていること、すでにクリアしてきたことがあり、また、心のおもいものさえもその姿を変容させていて、今は見えているものが違います。

今秋は、緒方貴臣監督映画「飢えたライオン」とともに、あの時以来10年ぶりに、東京国際映画祭に参加します。これまでの10年と、これからの10年。ラジオ番組にて、インタビューにお答えしました。話は、若松孝二監督との出会いから始まっています。→TOKYO FM「トランス・ワールド・ミュージック・ウェイズ」

エッセイ集「表現と息をしている」は冒頭、この若松孝二監督との出来事から、書き綴っています。もう随分随分前のことですが、まよいなく本の冒頭に書くほど、やはり僕にとっては、大きな出会いと経験だったのだなぁと、そして、この道はあの時から始まったのだなぁと、今日という日に あらためて 思っております。

僕は、もうこれからの10年のなかにいます。

renew

Posted in 2017.9.13

初めて、振り付けのあるお仕事に取り組んでいます。これまでの自分の引き出しにない、経験したことのない種類の身体の動きで、このお話をいただきましたことに、最初はものすごく驚きました。おもいきって、ほんとうにおもいきってトライさせていただきましたら、そこには素晴らしくすてきなダンサーさんたちとの出会いがありました。まったくの新しい経験。自分の頭の中の理屈やこだわりをすべて手ばなして、自分をまったくのゼロにして、真新しい自分で物事に取り組むことによって、こんなにも多くの学びと、こんなにも多くの新鮮な感覚との出会いが待っていたとは、実際にやってみなければ、本当に分かりませんでした。まったくの想定外な出来事。36歳になっても、まだまだ自分自身の予想を大きく超えてゆくような事が起こりうるのですね。まだまだたくさん新しい経験をして、学んで吸収して、未知なる景色を見てゆきたいです。自分自身のつよい意志でやると決めていること。そして、そして、ありがたくも、思いがけずに恵まれる機会。その両方のことを大切にして、運命を創造してゆきたいです。

ホンマタカシさん

Posted in 2017.9.7

2017/09/22 Fri 20:00〜
小木戸利光×ホンマタカシ
「日々かわりゆく表現の形 トーク&パフォーマンス」
詳細→B&B

ホンマタカシさんとの出会いと歴史。

ホンマタカシさんとはじめてお会いしたのは、COSMIC WONDER(2013S/S Diamond Equinox)の撮影で被写体になった時でした。Center For COSMIC WONDERでの静謐な撮影のひと時のことは、今でもはっきりと思い出すことができます。

そして、その次の機会では、パフォーマンスをご一緒しました。鹿のホンマタカシさん、英国在住のアーティスト・Jatinder Singh Durhailayさん、僕による3人での即興的なパフォーマンスでした。

9月22日のB&Bでは、ホンマタカシさんとはじめて対談を行います。撮影現場などでは、ほとんど言葉なしで、見えない感覚を共有するかのように進んでゆきますので、ホンマさんとしっかりお話するのは、今回がはじめてです。

top:
photography by Takashi Homma
COSMIC WONDER Light Source 2013 S/S“Diamond Equinox”

middle:
photography by Kohei Yamamoto
The Art of Tea of Art of Tea, curated by Audrey Fondecave of TOO MUCH magazine and Johanna Tagada at Hotel Pearl.
Takashi Homma, Jatinder Singh Durhailay, and myself in 27th March 2016.

TOKYO FM

Posted in 2017.9.7

TOKYO FM 収録。対談番組にて、映画のこと、音楽のこと、ドキュメンタリーのこと、パフォーマンスのこと、エッセイ集のことなど、「表現と息をしている」をテーマにお話しました。tokyo blue weepsの楽曲も2曲ほど流れます。オンエアは10月!

谷口稜曄さん

Posted in 2017.8.30

NHK「あんとき、」の番組のなかで、計3回お会いして、最後にはご自宅にまで伺わせていただいた、谷口稜曄 (すみてる)さんがお亡くなりになりました。番組の冒頭と終盤に、原爆によって背中が真っ赤に焼けただれた少年の写真が出てきましたが、あれは、被爆した後の谷口稜曄さんの背中です。番組が完成して程なくして、NHKのスタッフから、谷口さんが入院されたと聞きました。その時、もしかしたら、あれが谷口さんの最後の言葉だったということになるかもしれませんとも言われていました。

谷口稜曄さんへ

僕は、なんとか ぎりぎり 間に合って、谷口さんにお会いすることができました。NHKのチームの皆さまのおかげです。最後にご自宅にて、谷口さんの背中を見せていただきながら、僕はその背中の先に、来たるべき自分の未来を見ていました。「あんとき、」でのあらゆる経験が、谷口さんとの出会いが、僕の人生を大きく動かし、つよく後押ししてくれているのを、感じておりました。あの日から、自分が向かうべき道、もうとっくに自分自身で気づいていることへの、決意が固まったのです。

最後の、最後に、谷口さんの記憶を受け取らせていただきましたことを、心より感謝いたします。ありがとうございました。この先の道で、それらを、僕自身の仕事を通して、確かに未来へと繋いでいきます。別れる間際、2人きりになった時に、涙を浮かべながら、僕に見せてくださった表情、そのお気持ちを、心に大切に記憶させて、明日からも仕事に励んでいきます。悲しみではなく、谷口さんに出会えたことへの喜びの気持ちで胸が溢れております。心より ありがとうございました。

小木戸 利光 拝 2017.8.30

エッセイ集「表現と息をしている」

Posted in 2017.8.26

新聞広告 エッセイ集「表現と息をしている」

それにしても、田中正造、荒畑寒村、福沢諭吉の名前が出てきている上の記事のことが、とても気になっている。図書新聞、買いに行こう。

瀬々敬久監督映画「菊とギロチン」にて、大杉栄を演じている。昨年この撮影のために、あらためて大正時代や大杉栄についてリサーチをした。大杉栄と伊藤野枝、そしてそこに深く交差した人物達の人生を描き出している小説「美は乱調にあり」「階調は偽りなり」のなかで、作者の瀬戸内寂聴さんは、今は亡き 荒畑寒村へ直接取材をしていて、そのくだりが非常に興味深く、惹きつけられた。激しく情熱を持って生きた人の人生は、のちの時代を生きる僕達に、依然として激しく情熱的な視線を投げかけてきている。エッセイ集に詳しく書いた。映画「菊とギロチン」は、2018年公開。9月16日には、阿佐ヶ谷での現代映像研究会 足立正生/瀬々敬久の会で、映画のメイキング映像が公開されるようだ。

エッセイ集「表現と息をしている」

八月に想う

Posted in 2017.8.26

記録
「八月に想う」
トークショウ 小木戸 利光 × 稲葉 俊郎(東京大学医学部付属病院 医師)
8月13日 光明寺 本堂

一部:対談
二部:パフォーマンス

光明寺
稲葉俊郎
NHKドキュメンタリードラマ「あんとき、」
エッセイ集「表現と息をしている」

photography by 松崎香織、熊谷有依夏

多様な視点・論点 2

Posted in 2017.8.12

英国留学中の出来事。2003年、アメリカがイラクへの攻撃を開始した当時、イギリスでは各地で大規模なデモが起こっていた。僕はドキュメントとして記録しておきたいと思い、ビデオカメラを回していた。幾人かのインタビューも撮った。忘れもしないのは、イラクへの侵攻に抗議する大きなデモ行進とすこし距離をおいたところから、何かを懸命に訴えていた一人のイラク人の存在だ。彼のことが気になって、話しかけて、彼の声を聞いてみた。とても穏やかで優しい人だった。彼の話を聞いて、とても驚いた。「フセインがいなくならなければ、僕たちの国イラクの未来はないんだ。だからイラクへの侵攻はひつようなんだ」と言うのだ。戦争反対を訴える大規模なデモの傍らで、母国イラクへの攻撃を「致し方ない」こととして、その場でのマジョリティーに対して、一人小さな声をあげていた彼。その声はあまりにも小さくて、何人にも届かなかったと思う。そこには、怨恨や悲しみにより戦争や殺戮が致し方ないこととされてしまう歴史上の捻れがある。彼は自らの意志でイラクでの不自由な暮らしから逃れ、イギリスに亡命してきていた人だった。後日、ニューキャッスルのおうちに招いてくれて、他のイラク人のお友達とともに、イスラムの食事をご馳走になった。彼は心根の優しい人で、僕はこわい思いをしたり、何かを強要されたりすることは一切なかった。温かい時間だった。彼のような人は本来、戦争など望むはずはない。昨今のイギリスでの出来事を思う。ニューキャッスルの彼は、元気にしているだろうか。
可能な限り 多くの異なる視点のことを慮りながら、物事を見つめていたいと望むようになったのは、この時からだと思う。写真は、エッセイ集「表現と息をしている」のなかに文章とともに掲載しているもので、許可を得て、モスクで撮影したものです。

明日8月13日の17時〜「八月に想う」と題して、神谷町の光明寺にて、トークショウを行います。日本のお盆に、鎮魂の思いも含みながら、NHKのドキュメンタリードラマ「あんとき、」のことや、エッセイ集「表現と息をしている」のなかに綴った社会や世界の出来事についてなど、お話したいと思っています。対談相手としまして、東京大学医学部付属病院の医師・稲葉俊郎さんをお迎えします。稲葉さんや 皆さんと 対話するかのように進めていくことができればと思っています。また、後半には、謡いや音楽とともに、パフォーマンスも行う予定です。ぜひ ご来場ください。

多様な視点・論点 1

Posted in 2017.8.12

早稲田大学にて。東アジアをはじめとする各国からの学生たちが、長崎と東京で8日間を共にし、歴史について考え、話し合い、最後にグループごとに「1945年8月」という架空の共通歴史教科書を作成するというプロジェクト。その成果発表を含めた「東アジア共通の歴史認識は可能か:キャンパス・アジアの取り組み」を聴講。

あらゆる対話が英語によって重ねられる講義の中で、学生たちの国際的で、多様な視点・論点に触れて、自分の思考に新たなスペースが広がってゆきました。ものごとを断言しない ゆたかな空白のようなもの、できるなら そのままに受容する ゆとりのようなもの、そんな余地について、感覚として手掛かりがもたらされました。

2001年9月11日以前から、それ以後にかけて、僕は英国留学中に、その困難のほうにあまりにも多く直面しすぎて、身体中に酷い蕁麻疹ができ、一度 心身ともに終わったような大変苦い経験をしたけれど、昨日の早稲田大学での出会いや出来事は、あらゆる経験を経た、その道の先にあったものだと心底実感できて、それは一つの「明かり」となって、この道の先を照らしてくれています。

8月13日の17時〜「八月に想う」と題して、神谷町の光明寺にて、トークショウを行います。対談相手として、東京大学医学部付属病院の医師・稲葉俊郎さんをお迎えいたします。長崎の原爆をテーマにしたNHKのドキュメンタリードラマ「あんとき、」のこと、エッセイ集「表現と息をしている」のなかに綴った社会や世界の出来事についてなど、稲葉さんや皆さんとともにお話をしながら進めていくことができればと思っています。また、後半には、謡いや音楽とともに、パフォーマンスも行う予定です。ぜひ ご来場ください。

NHKドキュメンタリードラマ「あんとき、」

Posted in 2017.8.8


長崎の撮影現場。1945年8月9日の原爆投下により約千五百人のうち千四百人が爆死および原爆病で亡くなったと伝えられている爆心地にほど近い城山小学校。学校にいたほとんどの人たちは、瞬時に声もなく悲惨極まりない無残な姿に化し、即死している。撮影以外の日も一人城山小学校に出かけ、校庭で過ごした。そこでは、かけがえのない出会いもあった。

ドキュメンタリードラマ「あんとき、」
NHK 総合テレビ 8月9日 (水) 午前1:00~2:13 放送
NHKドキュメンタリードラマ「あんとき、」

僕らの8・15

Posted in 2017.8.8

祖父が戦地に赴く時の写真。家族で見送りをしたという。僕の曾祖母にあたる人は、憂うように、どこか遠くを見つめているように見える。エッセイ集「表現と息をしている」のなかに、文章とともに掲載している古い写真。僕は亡き祖父から何度も戦争経験について話を聞かせてもらった。祖父の片目の眼球は、銃弾の破片により傷ついていた。祖父の記憶を確かに受け取って、それらは僕の心と身体に流れて続けている。自分をつよく突き動かすものの一つに、このように、命と命の間で、受け取ってきたものの存在があると思う。